DAILY SHORT COLUMNS - Daily Life -

 
2002.10.30
たかがパソコン、されどパソコンVol.12(Business & Life共通)

それ以来今日に至るまで、知識と技術の向上とは正反するかのように、私のコンピューティング環境はダウンサイジングを続け、常時携行するA4サイズのバッグ一つにきっちりと納まってしまうまでになりました。

バッグの中身は、ざっと以下のようなものです。

・B5サイズのラップトップPC一台
・ACコード

・USB外付けHDD
・USBケーブル

・PDA一台
・データシンクロ&バッテリーチャージャーモバイルケーブル
・PDA用モバイル折り畳みキーボード

・イヤホン
・USBクリップライト
・USB・LANアダプター
・LANコード
・モジュラーコード
・USB携帯ケーブル
・携帯電話バッテリーチャージャーコード

・デジタルカメラ
・スマートメディアPCカードアダプター
・バッテリーチャージャー
・スペアバッテリー
(続く)


2002.10.29

たかがパソコン、されどパソコンVol.11(Business & Life共通)

さらにインストールする各種アプリケーションの費用は本体価格を上回っていましたし、それらも台数分必要になります。特にデスクトップ3台にインストールしていた当時のレイアウトアプリケーションは、1ライセンス250万円を超えていましたし、フォントもまだ非常に高価でした。

その他最も高価な単体でも800万円を超えるカラーコピー機をベースとするパソコンから出入力をモニターコントロールできるシステムをはじめとする各種周辺機器まで含めると、総額約2500万円にものぼる投資となってしまったのです。

それがどうでしょう・・・、今であれば機能的にその当時の水準と同様の、あるいは上回るコンピューティング環境が何分の1のコストで構築できてしまうでしょうか。いつの時代にもどの業界でも同様と言ってしまえばそれまでのことですが、それにしても馬鹿げた過剰投資であったと、私の苦い思い出の一つになりました。

いずれにせよ、これだけのソフトウェアとハードウェアです。昨今の私のポータブル環境からは想像もできないほど、当時のデスク周りは様々な機器と配線に溢れていました。(続く)


2002.10.28

たかがパソコン、されどパソコンVol.10
(Business & Life共通)

ちょうどその当時は、徐々にそういったー連の作業をコンピューター上で一環して行うようなDTP(デスクトップパブリッシング)が一般に浸透し始めた頃で、そうしたデザインおよび印刷の分野ではmacintoshが先行していたため、デザイン事務所の立ち上げ時に相当に思い切ったIT関連投資をしたのです。

今でこそDTPは広く業界に浸透し、Windows他のOS環境にも完全に定着しましたが、まだその当時は、パソコン本体も周辺機器もまだとても高価でしたし、各種DTP関連アプリケーションの完成度も現在からは程遠い低水準に留まっていました。

私よりもずっと古くからのMacユーザーの方々からすれば、驚くに値しないことかもしれませんが、当時先端のデスクトップが21インチモニターと合わせて60万円以上、ラップトップは80万円強という価格だったと記憶しています。

直接デザインに携わるスタッフ3名分のデスクトップとラップトップ、その他営業と事務スタッフ用3名のラップトップだけでも、合計700万円近くに及びました。(続く)


2002.10.26

たかがパソコン、されどパソコンVol.9(Business & Life共通)

最小限の機能的で安全かつコンパクトな環境を如何に構築していくかということの日々試行錯誤を重ねた結果、現状の私のコンピューティング環境ができあがってきました。

もう私自身の用途としてはラップトップタイプのパソコンしか使用しなくなって久しいのですが、私もパソコンに触れるようになった当初はデスクトップタイプを使用していました。

当時の私のデスク周りは、現在からは想像もできないほどの大きく重い様々な機器で溢れ返っていたものでした。

私とパソコンとの出会いは、私が仲間と共同経営でデザイン事務所を興した10年ほど以前に遡ります。

その頃までのデザインの現場では、例えばポスターやカタログなどの制作の場合、グラフィックデザイナーが写植を切ったり貼ったり、イラストや写真の位置やサイズ、個々の色指定などをしながら全体のレイアウトをするといったような完全手作業が主流でした。(続く)


2002.10.24

四十にして立てるか・・・Vol.4

十五歳の頃、武家に生まれた孔子は、武芸にではなく学問に生きるという決心をします。

その後様々に学び経験し試行錯誤を重ねていったのでしょう。そして三十歳の頃、独立の立場を持って、志を固く守って行けるようになります。

四十歳の頃、物事の道理がはっきりと解り、自らの在り様に疑問や迷いを抱かないようになります。

五十歳の頃、天命つまり人間の力を超えたままならない運命を自覚し、それを主体的に受け止めることができるようになります。

六十歳の頃、人の言葉が素直に聞けるようになり、そして七十歳の頃、自らが思うままに振る舞って、それで道を外れることがないようになります。それは自我という窮極の個性と、正反する社会性との内外における完全な一致という人としての在り様の境地を表わしています。

私もはや四十三歳になりましたが、この孔子になぞらえれば、「四十にして惑わず」の時期にさしかかりました。同年代の友人達の多くも、このくらいの年齢になってようやく迷いから脱却し、自我を確立して社会への積極的な主張を始めていく頃なのでしょう。(続く)


2002.10.23

四十にして立てるか・・・Vol.3

先頃別の古い友人は、小説を出版していました。それもたまたま書店で平積みされているのを見つけて知りました。

また取引先との打ち合わせの帰りにたまたま通りがかった画廊で、また別の友人が個展を開いていたこともありました。

著名度の高い頻繁にメディアに登場する友人達はともかくとしても、たまたまのテレビ番組で、懐かしい顔をコメンテイターやら取材の対象などとして見かけたり、仕事ぶりや受賞のニュースが新聞や雑誌の特集などに取り上げられていたり、彼等の何らかの作品や実績を通して近況を知るなどという機会が、昨今とみに目だつようになりました。

孔子は、「吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う(したがう)。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰えず」と、その晩年に自らの生涯をこう振り返ったと云われます。私達常人にとっては、なかなかに及び難い人生の在り方や境地をよく表した歴史に残る名文だと思いますし、私は初めて漢文の授業で触れた若かりし頃から、ずっとこの文言を漠然と自らの指標の一つにしてきました。(続く)


2002.10.22

たかがパソコン、されどパソコンVol.8(Business & Life共通)

また、普段のその時々の必要性に応じて、いちいち新たなソフトウェアーやハードウェアーを追加していたのでは、あっという間にコンピューティング環境は肥大化してしまい、システムは複雑化し、デスク周りも機器や配線で溢れ返ってしまいます。

私の場合は、ノートPCをメインとして常時携行していますが、それでも必要に応じて機器を買い揃えていたのでは、荷物が際限なく肥大化重量化していってしまうことになります。

また、パソコンは数年で、というよりも数ヶ月ですぐに陳腐化してしまいますし、常に最新の環境をなどと考え始めたらまさにきりがありません。

オペーレーションシステム自体も試行錯誤の発展途上にありますから、定期的にアップグレードされます。OSをアップグレードすれば、それに応じて使用アプリケーションのバージョンアップも考慮していかねばなりませんし、テクニカルな面でもコスト面でも相当な負担を強いられることになります。またベンダーの開発中止や倒産などにより、愛用のアプリケーションが使用できなくなるようなリスクもあります。(続く)


2002.10.20

たかがパソコン、されどパソコンVol.7(Business & Life共通)

昨今パソコンのCPUは日進月歩で進化を続け、搭載可能なメモリもギガヘルツの水準に達し、その処理能力は飛躍的に高速化したと言われます。

もちろん日々のアプリケーションレベルでの作業という視点においては、もはや充分過ぎるほどの水準に達していますが、メンテナンスレベルにおいてはまだまだ私はストレスを感じています。フリーズ時のシステム修復、ディスクスキャンやデフラグ、ファイルコピーやバックアップなどという作業に関してです。

もちろんパソコン本体の問題だけではなく、例えば使用する外付けハードディスクの回転数や接続形式の違いなど、様々な要因にも依存する総合的な結果が実際の体感速度であるわけですし、それにハードウェアーが進歩しても通信回線が細ければ他者とのファイルのやりとりのうえではまったく意味を成しません。

最近では、光ファイバーすらも一般家庭に浸透を始めていますが、こうしたブロードバンドにインターネット全体が広く転換していかない限りは、ハードウェアーの進歩もローカルレベルで活用されるだけの域から脱却できません。(続く)


2002.10.19

四十にして立てるか・・・Vol.2

何も私が自ら進んでアクションを起こさなくとも、出会うべき人には出会うベくして、また再会すベき人には再会すべき時に、自ずと必然的な出会いが訪れるものです。

したがって、普段から特定の人との定期的なやリとりを心がけて継続するとか、年賀状のような時節の儀礼であるとか、そうした常識的行いは、私の日常にはほとんど存在していません。

お互いをまだよく知らない、信頼関係を深めつつあるような段階でならば、あるいは仕事上の必要に迫られてというのであればともかくして、心から好意を抱き合う者同志の間に、あるいは深い信頼で結ばれた者同志の間で、そのような儀礼が果たして必要なのでしょうか。

私にとってかけがえのない心寄せる、あるいは心から信頼できる相手であれば、何らかの形で元気でいてくれることが判りさえすれば満足できてしまいます。もちろん時々会いたいくらいの気持ちにはなりますが・・・。

それにしても、私の年齢くらいになってくると、期せずして古き良き友たちの消息を知るような機会が増えてきたように思います。(続く)


2002.10.16

四十にして立てるか・・・

先日ネットで調ベ物をしていたところ、古い友人のウェブサイ卜をたまたま見付けました。

彼は大学時代の同級で、よく言えば孤高というのでしょうか、大学ではありがちなあまり仲間と群れたりもしない、学資を稼ぐためのアルバイトが忙しく休みも多かったのですが、勉学には真面目に取り組んでいた、物静かなしかし芯はとても強い人物でした。

私も親友というほどではなかったのですが、彼とは馬が合うところがあって、当時の時間と空間の多くを共有していたのですが、私が中途退学してしまってからは今日まで一度も会ってはいません。

当時彼が語っていた方向性からは若干ずれてきているようでしたが、彼のウェブサイトからは懐かしい当時の彼の変わらぬ人となりや着実な歩みを感じてとることができて、とても嬉しく勇気付けられた気がしました。

かといって私は、彼にメールを出してみるわけでもなく、ブックマークしたわけでもありません。これまで同窓会といった類の集まりにも、一度も出席したことがありませんし、冠婚葬祭などにもほとんど顔を出しません。(続く)


2002.10.12

たかがパソコン、されどパソコンVol.6(Business & Life共通)

クライアントから報酬をいただく専門家としての立場で、まさか機器の不良やデータの消失などで業務に支障をきたすような恥ずかしい真似などできませんから、一つの環境に対して予備を含めた最低2台のマシンが必要になりますし、日々のバックアップも異なるディスクやメディアに最低限2部は必要になりますから、その日その日の作業終了後のルーティーン化したメンテナンスやバックアップに要する時間と手間が本当に馬鹿にならないのです。

そうした日々のバックアップを自動化したり、ミラーリングディスクといったパソコン本体のハードディスクにデータを保存すると同時に別のディスクにバックアップコピーを作成してくれるようなツールやシステムも存在していますが、それ相応の費用がかかってしまいますし、一つのポリシーあるいはテーマとして必要最小限のコンピューティングシステム構築を目指していることもあって、特別なアプリケーションや機器は極力使わないようにしています。(続く)


2002.10.10

たかがパソコン、されどパソコンVol.5(Business & Life共通)

昨今パソコンはあらゆる業界の様々な職種の日常業務に浸透しているだけでなく、商取り引きの上でも日々不可欠な存在となりつつありますし、もはや一般的なビジネスの上では必須のツールとなったと言えます。

私の仕事は、主にコンセプトデザイナーとしての提案型トータルビジネスサポートなのですが、通常その一環としてWEBディレクションやWEBデザイン、クライアントのIT環境整備やトラブルシューティングなどの請け負いなども主要業務の一つであるといったように、パソコンがまさに商売道具であるといっても過言ではありません。

プロとして最低限度のプライドという意味からも、自らのビジネスツールであるパソコンについては、周辺機器も含めた機種の選択からシステム構築、運用管理ノウハウの蓄積まで、一貫して細かく注意を払います。ましてや自らの必要範囲を超えて、様々なケースを想定してのクライアントのための快適なコンピューティング環境のテスト構築、様々なアプリケーションやオペレーションシステムの動作確認やらと、パソコンの前でこうした試行錯誤に費やす日々の時間と手間は相当なボリュームに及んでしまいます。(続く)


2002.10.07

たかがパソコン、されどパソコンVol.4(Business & Life共通)

「道具は命」と言われるように、一般的にその道の優れたプロフェッショナルは、それぞれのビジネスツールをとても大切にします。

最も仕事の道具を必要としないであろう手書き作家であっても、お気に入り愛用のぺンや特注の原稿用紙などがあるものです。

私の飲み友達の大工の棟梁は、あまり普段真面目に仕事はしないのですが、日々の大工道具の手入れは欠かさず、彼の道具は錆一つなく砥がれ磨かれて、長年愛用の道具箱にきちんと整理して収められています。

私のヘアーカットをしてくれている美容師の彼は、一本数十万円もする鋏を何本も持っていますし、その切れ味たるや無音で触るかどうかのうちに髪が溶けてしまうかのようなスムースさです。

学生時代からの友人であるコマーシャルフォトグラファーは、35mmから6cm×4.5cm、6cm×6cm、4inches×5inches、8inches×10inches、各種デジタルカメラやデジタルパック、照明機材まで、様々なメーカーのフルセットを使い分け、それぞれ個別の完全耐久防水専用ケースで保管し、もちろん常に手入れも万全です。(続く)


2002.10.04

たかがパソコン、されどパソコンVol.3
(Business & Life共通)

私はビジネスユースとしてフルにパソコンを活用するようになって久しく、自身のビジネスデータだけでなく、クライアントの社外秘データやプライベートのデータも、すべてー元管理をしていますので、日頃からデータのバックアップはこまめにとるように習慣付けています。

基本的には毎日実行するのですが、これがなかなかに時間と手間を要する作業であって、日々のちょっとした理由からついなおざりになりがちです。もちろんクライアントのデータに更新や追加があった場合には、その都度バックアップを欠かしませんが、変更したデータが自身のデイリーファイルだけであったりすると、バックアップを翌日以降に先送りしてしまうことは日常茶飯事です。

そんなたまたま案件と案件の合間の、ビジネスデータにまったく更新や追加がなく、一週間近くもバックアップを先送りにしていた際に、今回のハードディスクの故障は起きてしまいました。こまめに毎日バックアップをとっている時には何も起こらないのに、まったく皮肉なものです。(続く)


2002.10.01

たかがパソコン、されどパソコンVol.2
(Business & Life共通)

デスクトップに比較すればノートは壊れ易いでしょうし、私はほぼ常時どこに出かける際にも携行していますし、日々の絶対的な使用時間も非常に長いですからなおさらかとは思いますが、それにしてもパソコンはまだまだ脆弱なツールだと言えます。私は物は大切に長く使うほうだと自負しているのですが、それでもいつも何かのどこかが壊れているような状況です。

私は最初に触れたパソコンがMacintoshで、以来ずっとMac Userなのですが、今回修理に出したB5サブノートを購入した1年半ほどの間にWindowsを併用するようになり、最近ではこのWindowsB5サブノートがほぼメインマシン化していただけに、今回の故障には大きな負の影響を受けてしまいました。

このWindowsノート導入の動機は、何と言ってもバッテリーも含めて1.3kgという軽量さと、主流であるWindowsと自らのMacintosh環境を共存させる必要性が生じてきてきたことでした。(続く)