DAILY SHORT COLUMNS - Daily Life - |
2005.01.27 |
■エイズ: 感染・患者、初の1000人台に 04年 厚生労働省のエイズ動向委員会は26日、昨年のエイズウイルス(HIV)感染者とエイズ患者の新規報告件数(速報値)がそれぞれ過去最多の748人、366人に上り、合計で1114人と、84年の調査開始以来初めて1000人を超えたと明らかにした。これまでの最多は03年の計976人で、ほぼ毎年増えている。 委員会によると、HIV感染者は男性が669人、女性が79人。エイズ患者は男性323人、女性43人。HIVの感染経路は同性間の性的接触が447人と最も多く、異性間の性的接触が195人。エイズ患者では、同性間の性的接触が137人と最も多いが、異性間も126人いた。委員会内では、増加の理由に「合法麻薬(脱法ドラッグ)のまん延などによる性的な乱れの影響」を指摘する声もあった。【玉木達也】 〔毎日新聞〕 |
2005.01.16 |
■「ツナミ募金」草の根で拡大 スマトラ沖地震 スマトラ沖大地震と津波の被災地に向けた民間の寄付金が、欧米を中心に政府の支援額を上回る勢いで増えている。子どもや学生が主導するケースもあり、行方不明者を多く出した欧州でも、草の根の募金活動が広がる。企業の大型寄付もあるが、死者と行方不明者が18万人を超す大災害への関心が、個人レベルの献金を広めている。 ◇ クリスマスと新年の休みが明けた3日、ニューヨーク・ブルックリンにある第253小学校の校長室に、5年生のシンティア・カストロさん(10)が入った。 「ツナミで被害を受けた人たちのために、募金をしたいんです」。その一言で、学校の取り組みが始まった。シンティアさんはマフィンを焼いた。母親に買ってもらい、お金を寄付した。募金を呼びかけるポスターを4人の友だちと作り、先生からも集めた。10日あまりで約10万円(千ドル)が集まった。 子どもたちの募金集めが、米国中で広がっている。自宅近くの道ばたで飲み物スタンドをつくる。募金を集めるパーティーを開く。自分がどんなに恵まれているかを一つひとつ数え、それぞれの恵みに1ドルずつを払う。ニューヨークのブルームバーグ市長は7日、すべての公立学校で義援金を募る、と発表した。 米赤十字は昨年末、約30億円(3000万ドル)の寄付を呼びかけた。申し出は約150億円に達する勢いだ。米全体では民間から約330億円が集まり、政府表明の公的支援の約360億円に迫る。AP通信の世論調査には、29%が寄付をし、37%が今後寄付をすると答えた。第253小のメリッサ・ワッセルマン先生は「私たちには同時多発テロ『9・11』の経験がある。人々が支え合ったことを子どもたちは覚えている」。家族が集い、1年の恵みを感謝するクリスマスの時期に重なったことも、後押しした。 政府などが表明した支援額は15日までに50の国と機関で総額5600億円を超えた。民間総額は不明だが、英国が約200億円と、政府表明の約150億円を突破。政府支援は融資を含み、拠出が数年間のケースもあり、全額実施されるか不明とも指摘される。個人は「即金払いがほとんど」といわれる。 ◇ 「ひとごととは思えない」との切実感が、欧州の寄付を支えている。ロイター通信によると、外国人の死者・行方不明者は欧州に集中。約2000人と最多のスウェーデンでは、赤十字がふだんの1年分の2倍以上の約73億円をすでに集めた。 イタリアでは、「ローマ市民には世界一の援助者になってもらいたい」と、ローマ市のベルトローニ市長が呼びかけている。被災地の子供に1人当たり月3000円前後を1年は支給する計画だ。フリーダイヤルを使い、食料や衣料の配布や、学校と孤児院の建設など、約20団体の支援内容から選んで寄付する。携帯電話で特定番号にかけて寄付するサービスも登場。民間だけで約58億円と、政府表明の94億円の半分以上だ。 スイスは最大手の慈善団体スイス・ソリダリティだけでも135億円にのぼり、人口1人当たりだと約1800円。地元紙は「世界最高」と誇らしげだ。国際赤十字や国連などの拠点があり、関心は高い。英国では義援金が約400億円に届くとの見通しもある。被災地のインドやスリランカなどの移民が多いことが背景にある。 ◇ 国連の呼びかけで動く例もある。「中国の瀋陽で、6歳の少年が全財産の22ドルを寄付した」。インドネシアで6日、支援会議でアナン国連事務総長は称賛した。報道を受けた地元は、さらに学生約100万人が2日間で約2600万円(200万元)を寄せた。また、IT(情報技術)産業では、IBMのパソコン事業を買収した聯想が約5100万円を寄付。長者番付で元1位のIT企業経営者、丁磊氏(33)は個人資産1億2000万円を出した。地元メディアは15日、義援金総額が36億円に達したと報じた。 日本は昨年、国内災害が相次いだためか、他国に比べて少ない。外務省が主な支援団体への聞き取り調査や報道からまとめた金額は約24億円。約15億円を集めた日本赤十字社は、海外災害で99年の台湾地震(約30億円)に次ぐ。日本は政府ベースの支援額が豪州、独に次ぐ3位の5億4000万ドル(550億円)。「国全体として少なくない」(同省)という。 〈主な国の支援と死者・行方不明者〉 民間寄付(ドル) 政府の支援表明額(ドル) 死者・行方不明者数(人) 《民間寄付が政府支援を上回った国》 英国 1億8700万 1億4080万 968 オランダ 1億4820万 3400万 63 スイス 1億3000万 2381万 273 サウジアラビア 1億113万 3000万 ――― 《政府支援が多い国》 ドイツ 4億2900万 6億6000万 978 米国 3億2400万 3億5000万 53 オーストラリア 1億 600万 8億1550万 265 スウェーデン 7200万 8000万 1890 イタリア 5650万 9200万 210 中国 3400万 8300万 18 日本 2350万 5億4000万 79 (ロイター通信などから。1ドル=102円。―は報告なし) |