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2005.07.30 ■KDDI、パワードコム吸収合併へ 通信3強時代突入

 KDDIが東京電力子会社で固定通信四位のパワードコム(東京)を来年一月をめどに吸収合併する方向で最終調整していることが二十九日、明らかになった。固定電話や携帯電話、光ファイバーなど通信サービス全般で手を結び、「総合通信事業者」を目指す。実現すれば、通信業界はNTT、KDDI・東電連合、ソフトバンクに再編され、新たな三大メガ通信時代に突入する。動画像の送受信や音楽配信などブロードバンド(高速大容量)サービスの覇権をめぐる競争が一層激化しそうだ。(冨岡耕)

 「通信業界で生き残るには規模に尽きる」−。パワードコムの中根滋社長はこう言いきる。KDDIの小野寺正社長も「NTTへの対抗には総合力が必要だ」と指摘。ソフトバンクが日本テレコムを買収した昨秋、固定電話の事業規模でソフトバンクに抜かれたKDDIが東電に秋波を送り、交渉が進んだ。

 背景には、固定電話市場が縮小する中、ブロードバンド通信の「本命」とされる光ファイバー網をめぐる争いが幕開けし、設備投資や営業規模がそのまま勝負の帰結を左右しかねない状況がある。

 NTTは平成二十二年までに累計五兆円を投資して、全世帯の約半数にあたる三千万世帯を銅線から光ファイバー網に切り替えると昨秋表明。自社の光ファイバー網で電話、高速インターネット、テレビ放送の三点セットを提供し、顧客単価の引き上げやコスト削減による収益回復の足場を着々と固めている。

 これに対し、KDDIも光ファイバーサービスを展開するが、各家庭に至る末端のアクセス回線をNTTから有償で借り受けているのが現状だ。だが、NTTに次ぐ総延長九万六千キロの光ファイバー網をすでに敷設している東電と組めば、「NTT依存の脱却」(KDDI幹部)が図れ、収益基盤を安定させる道筋がみえてくる。

 一方、通信業界ではこうした光ファイバー網を柱にする一方、携帯電話など無線通信との「融合」も重要な課題だ。これができれば、一台の端末で家庭内では固定通信、外出先では無線通信を利用した総合サービスを提供することで顧客を囲い込むことが可能になる。携帯事業を持たない東電としても早期にKDDIと提携してサービスに幅を持たせたいとの思いは強い。NTTへの対抗を旗印とするソフトバンクも「携帯参入で総合通信事業になる」(孫正義社長)と戦意を高めている。

 ライバル事業者の台頭に防戦を迫られるNTTは、NTT法などで規制が厳しいうえ、「グループ内で各社が競争している。遠心力が強い」(NTT幹部)と悩む。他社が束になっても超えられない売り上げ規模十兆円強のNTT。だが、その背中には確実に競合の足音が近づいている。

〔産経新聞〕


2005.07.06


■無線LANを全国展開 ドリームテクノ、平成電電と参入

 ソフト開発のドリームテクノロジーズと平成電電は5日、今年11月から全国で高速・大容量の無線LAN事業に参入すると発表した。年末に政令指定都市、06年夏までに県庁所在地でそれぞれサービスを始める計画。パソコンを使ったデータ通信に加え、インターネット経由の音声通信サービスも始める考えだ。

 両社は新しい通信方式の採用で、全国のカバーに必要な基地局数が20万カ所と現行の無線LANの約2%程度ですむと見ており、「既存のサービスの半額で提供したい」としている。

〔朝日新聞〕