DAILY SHORT COLUMNS - Daily Life -

 
2004.02.21
砂糖摂取不足? Vol.7

「いつも悪いね〜、これ材料代ね」と臆毛もなく1万円札をピラピラなびかせながらキッチンに現れた彼に問い質してみると、昼食に私が用意しておいたかけうどんの具だけでは物足りない気がして、わざわざてんぷらかすとついでにいなりずしを買いに出たとのこと、それでもまだ口淋しく午後から私が戻るまでに甘味を食べ出したら止まらず、気付けば無くなってしまっていたと言うのです。

私の努力も虚しく、結局は甘味の分だけ普段より余分にカロリー摂取をしただけというような結果に終わり、彼の健康を考えての試みは、見事に空振りに終ってしまいました。彼の体内特に血液の状態を想像するだけでもぞっとしてしまいます。その夜の酒の量と肴の品数を削ってしまったことは言うまでもありません。

結局自らの健康を自己管理できない人物に対して、いくら周りが気を遣ったところで徒労に終るのかと、ひどく落胆してしまいました。

また私も気持ちを立て直さねばなりませんが、今度は事前によく趣旨を彼に説明し、相応の覚悟を確認したうえで再度ためしてみようと、我ながらしつこい性格と呆れつつ考えています。

とこれを私はファミレスで書いているのですが、向かいの席に座ったボリューム満点の体型の女性二人組が、大盛りの豚カツ定食をペロリと平らげたと思いきや、デザートに大きなパフェをオーダーしています。思わずメニューのカロリー表示を確認したところ、両方で軽く2000カロリーを越えていました。それにしても、私が呑み食べるといえども彼や彼女達の足元にも及びません・・・。


2004.02.16

砂糖摂取不足? Vol.6

というわけで、早速この適度な糖分摂取によるダイエットを試してみようと、彼が好みそうな和菓子を中心に何種類かの甘味を買い込んで先日訪問をしてみました。

彼には特に何らの説明もしないまま、昼食と夕食の間に二回に分けてお茶や珈琲と一緒に甘味を少しずつ出して、夕食に肉類と言えば鶏肉それもももではなくささみのみ、他はすべて野菜のうどんすきを出してみたのです。

何らかクレームがあるかと思いきや美味しそうに食べていたので、彼にも早速効果があったのか、それともつくってもらった料理なので文句を言わなかっただけなのか、その日は区別がつきませんでした。

まあ、しばらく様子をみてみようと、翌日昼間はいくつかの打ち合わせが重なっていたので、鮭を焼いて、ごはんと味噌汁に納豆と焼きのりという朝食を一緒に済ませ、終日外出しないという彼のために前日の残りのうどんを茹で、具も添えたどんぶりと、あとは火にかけて温めればよいだけのかけつゆを鍋に用意して、私は外出したのでした。

そして、打ち合わせがおしてやや遅くなってしまったのですが、その日の夕食の酒の肴各種居酒屋風献立のための食材を買い込んで戻ってみると・・・、何とてんぷらかすといなりずしのパックがシンクに散乱していただけでなく、前日に私が買い込んだ残りを棚に保管しておいた私の感覚では一週間分はあろうかという甘味類までも、すべてきれいに平らげてしまっていたのでした。もうあまりの驚きに、私はしばし呆然としてしまいました。(続く)


2004.02.15

砂糖摂取不足? Vol.5

お金に余裕がないわけではないのですから、家事をしてくれる家政婦を雇うとか、家を処分してハウスキーピングサービス付きのレジデンスにでも移れと散々忠告しているのですが、彼としては別れた奥さんがまた戻ってくるかもしれないとの未練もあってその家に住み続けているのです。

私は奥さんとも仲が良いですし、直接顔を突っ込みこそはしませんでしたが、離婚に至る一連の経緯も離婚後の奥さんの消息も知り及んでおり、私の判断する限りでは奥さんの側に彼と復縁をしようとする意志はもちろんその可能性は皆無に近いものと思われます。切れてしまえば、きれいさっぱりと断ち切ってしまえるのが女性の特性のようで、男はズルズルといつまでも引き摺ってしまうことが少なくないようです。近頃ではもはや、女々しいと雄々しいの意味を交換してしまうべきかもしれませんね。

今となっては時々彼の自宅を訪問して掃除をしないと、特にひどいのはキッチンなのですが、まさに廃虚と化してしまいそうで、片付けるという行動が欠落している彼が飲食するだけゴミが散乱蓄積していくのです。それがさほど気にならないというのですから、もう始末におえません。

奥さんも家事があまり得意な女性ではありませんでしたし、もちろん最低限の掃除や洗濯はしていたものの、夫婦二人だけの生活ですし、食事は各種ホームデリバリーにもともと頼りがちでした。時間に余裕があるときには、食材を買い込んだうえで訪問して私が料理をしてあげることも珍しいことではありませんでした。

というのも、二人ともなのですが、特に彼の方が異常なまでの脂質好きで、肉の脂(スキヤキ肉を買うと付いてくるあの脂の塊です)などいくつもペロリと平らげてしまいますし、弁当を買わせようものなら既に脂質たっぷりの弁当とは別に、てんぷらやカラ揚げやコロッケなどを買い込んできて、食卓には油ものだけがズラリとならぶことになるのです。あれば朝からでもスキヤキを食べたい、また野菜はほとんど摂らないまさに病院一直線といったような食生活だったのです。(続く)


2004.02.13

砂糖摂取不足? Vol.4

そのような適度な糖分の摂取が脂質への欲求をはっきりと自覚できるほどに抑制するという事実を踏まえて、私のビジネスパートナーの一人でまさにトライアルが必要と思われる人物に早速勧めてみようと思います。

彼は、もう還暦を過ぎて引退を準備していたのですが、最近自ら資産運用会社を立ち上げてしまった、このコラムの別のシリーズにも登場する人物です。またこの決断を長年連れ添ってきた奥さんに相談することなく実行に移してしまったことが最大の要因となって、とうとう昨年末に離婚をしてしまいました。

彼の世代においては珍しくはないのですが、彼は自分ではお茶すらも満足に入れられないほどに何も家事の類ができない人物で、奥さんが出ていってしまった後は、一人暮らしには広過ぎる一軒家でそれはすさんだ生活をしているのです。

子どもがおらず、また数年前にもう両親も相継いで亡くなっており、兄弟もなく付き合いのない遠い親戚があるだけの、奥さんと別れた後はもはや天涯孤独の身の上ですし、まあ唯一の救いと言えば充分過ぎるほどの資産があることくらいです。

私は二人が仲良く暮らしていた頃から私が専用で使用する部屋があるほどに頻繁に訪問しており、今ではもう私が唯一の彼の自宅への訪問者となってしまいました。(続く)


2004.02.12

砂糖摂取不足? Vol.3

私は暗示にかかりやすいとは自分では思わないのですが、先日もたまたま夕食前にブラックの珈琲と一緒にふたかけらのチョコレートを食べるタイミングになったことがあり、その日の夕食に出された普段であれば好んで食べている焼きそばとチャーシューを身体が受け付けないという(もちろん出されたものは最終的には残さずにいただきましたが)、その番組の内容を裏付ける初めての経験をして驚きました。

もともと糖分を好んで摂らないというだけのことで苦手なわけではありませんでしたから、以来カフェで長時間仕事をするような際には、ブラック珈琲というこれまでの習慣は変わらないので、チョコレートクランチ入りのスコーンなどといったサイドオーダーを追加してみたり、珈琲の代わりにココアなどをオーダーしてみたりと、適度に糖分を摂るように心がけてみたところ、好む食事の傾向がはっきりと自覚できるほどにあまり脂質を摂らない内容に変わってきました。

年齢を重ねるにつれて次第に衰えてはきましたが、私はもともと摂取した様々な栄養素を消化分解吸収する力に恵まれているようで、周囲の人達に驚かれるほど食べてもあまり体型などに影響しない体質なのですが、それでも暴飲暴食を重ねれば余計な皮下脂肪が付いてしまったりもします。ところが、ここしばらく適度に糖分を摂る習慣を付けたところ、ごく自然に脂質の摂取が抑えられ、お腹周りや頬や顎などに付いてしまいがちな皮下脂肪がとれてスッキリとしてきた気がします。(続く)


2004.02.06

砂糖摂取不足? Vol.2

昨今のダイエットブームにより、女性に限らず男性も含めて砂糖を極力摂取しないように心がけている人達は、世間一般に非常に多いと思います。しかし、それがダイエットにつながらないどころか却って太ってしまう要因になっているとするなら、ましてやそもそも甘党であればまさに踏んだり蹴ったりですよね。

かくいう私も、私自身の習慣的には、日常生活において砂糖を摂取しようという感性をほとんど持ち合わせてはいません。とは言っても、それは仮に私がたった一人で誰とも関わらないで暮らしていたとでもすればのことで、実際には外食もしますし、クライアントを訪問すればお茶や珈琲と一緒に和洋菓子などが出されたりもするわけですから、一日にすれば相当量の砂糖を摂取しているものとは思います。

それでも時々まったく人と会わないでカフェのはしごをしたり、自宅やホテルに籠って仕事をすることもあり、そんな日には珈琲を何杯かブラックで飲み、自分だけで食事をすれば、まったく砂糖を口にしないことになります。そんな日を思い起こしてみれば、疲労の度合いが大きかったり、てんぷらやフライといったような揚げ物が恋しくなったりしていたような気もします。

その番組でも、終日執筆にあたる作家達がそれぞれ好んで手元に置いた甘味を紹介していましたが、私も以来珈琲だけでなくチョコレートやクッキーを一緒に摂ったり、珈琲や紅茶に砂糖を入れたりしてみたのですが、その効果の大きさを身を持って実感することができました。長時間パソコンに向かっても、眼の疲労が軽減され、頭の働きも長時間にわたって落ちにくいのです。(続く)


2004.02.04


砂糖摂取不足?

先日とあるテレビの人気健康番組を見ていたところ、砂糖を適度にとらないとインシュリンだったかな???・・・、何らか体内の分泌物質が増加して、その結果脂質を身体が過剰に要求するようになり、結果的に太ってしまうとのことでした。

またそういう条件に合うモニターを揃えているのかとは思いつつも、実際のところダイエットに留意するばかりに砂糖を極力摂らないようにしているというモニターの全員は一様に肥満気味の体型をしており、逆に日頃適度に砂糖を摂取する習慣を持つ別のモニターのグループは一様にスリムな体型をしていたのです。

何でも砂糖を摂ると増加する体内の分泌物質は、砂糖を摂らない時のそれとは体内では総量が一定で、片方が増えればもう片方が減るという相反関係にあるのだそうです。それに、その砂糖を摂ると増加する側の分泌物質は、脂質を摂りたいと感じなくさせてしまう効果があるのだとか、もともと年齢を重ねると自然に体内でのその物質の分泌が増加する関係で、あまり脂の濃い料理を好まなくなるのだそうです。(続く)