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MINDSHOOTING ESSAYS -What's Cool Business!?-

■□■第8号■□■

 

≪CONSIDERATION≫

ブレイクイーブンの経営・その4

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以下のエピソードが長編になってしまいましたので、次号に順延させていただきます。

第9号 「ブレイクイーブンの経営・その4」に続く

 

≪EPISODE≫

 ▼Success or Failure???         
  >番外編 〜最近嬉しかったこと〜

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先日電車での移動中のことです。すぐ近くに立っていた制服姿の男子高校生三人組の興味深い会話に、私は思わず聞き耳を立ててしまいました。

彼らの来年の卒業を控えての今後の進路についての会話だったのですが、三人のうちの一人は大学進学を、一人は家業の寿司屋を継ぎ、もう一人はフリーターとしての今後を想定しているとのことでした。

三人三様まったく方向性は異なるかのようですが、彼らの感性や価値観は共通していて、つまらない世の中、志望する職業はこれといって何もなく、将来を見通してみても何の希望も感じていないようなのです。

彼らは、だからといって斜に構える訳でも自棄的になるでもなく、何もないから自分達で創っていくしかないという前向きな姿勢があって、聞き及んだ構想自体は抽象的で、それらを語る会話にも幼さはありはしたものの、それも彼らの世代では至極当然なことですし、彼らの若いパワーや斬新な発想が伝わってきて、何だかとても愉快痛快な気分になりました。

 

進学する一人は、卒業後にも就職するつもりがなく、できれば在学中にベンチャービジネスを立ち上げたいと、様々な事業の構想を今から練っており、大学も合格できなければそれでいいとのこと。

家業を継ぐもう一人は、両親の寿司屋の経営状況がもうこの数年細ってきており、営業のスタイルを根本的に変えて海外で営業し、両親を連れてつまらない日本から脱出して海外移住をしたいとのこと。

さらにもう一人は、何も仕事としてやりたいことがなく、できるだけ何もしないで生きていきたい、でも働かなければならなくなれば、割り切ってどんな仕事でも最低限のことをしてしのいでいくとのこと。ちなみに彼の家庭は、相当に富裕なようです。

私は彼らにとても興味深く惹かれてしまい、もともと降りるはずだった駅をいくつも通り越して、彼らの会話の会話に聞き入ってしまいました。

 

ベンチャービジネスを立ち上げようとする一人は、景気に左右されず、ずっと継続して続けていける業種は衣食住関連産業であろうから、それに専心して利益を確保することを大前提としているようなのですが、それらの基盤事業からの充分な利益によって、芸術振興のための憲章機関の創設であるとか、熟壮年世代社会的再生機関やスーパーキッズ養成機関の創設であるとか、二十歳以上も隔たりのある私自身があたためている事業計画にも近く、はっとしてしまうほど斬新で、なおかつユニークなネーミング、さすがに普段毎日考えているだけあって、まだ他にも色々な独創的な事業アイディアを次々と披露していました。大抵はまだ事業計画としての体は成してはいないのですが、末恐ろしい将来の大物という素直な印象を受けるには充分なだけの説得力を感じてしまいました。

おまけに最も印象に残っているのは、資本づくりのための各種事業において収益をあげていくためであるならば、「豚野郎どもに土下座だってするし、奴らの靴だって嘗めてやる」という吐き捨てるような厳しい強い口調での彼の弁でした。

私はそんな彼がどこから来てどこへ行こうとしているのか、そして今の彼をそんなふうに衝き動かしているものが何であるのかといった疑問にすっかりと支配されてしまいました。

私が何をどう考えたのかなどという事柄は、まったく推測の域を出ませんし、ここで述べるのは彼に対して失礼な気がしてしまいます。

 

家業の寿司屋を継ごうとしているもう一人の若者のプランもなかなかユニークなものでした。

彼は、既に何回かの海外渡航経験があるようで、アメリカやヨーロッパ各地で体験した食文化と日本料理との融合をはかり、現地の食材を生かした、そして現地の人達のテイストに合わせた新しいスタイルの日本料理を、新しい空間で提供していくことをイメージしているようでした。

また彼のスタイルは、決して自らが調理の修行をしたり、厨房に立ったりするのではなく、あくまでプロデュースに徹していくことのようです。

祖父母の代からの土地を中心としたそれ相応の財産を有する家庭のようで、それらをすべて売り払えば、それなりの資本ができるだろうとのこと。

出店する国については、物価水準が日本とさほど格差がない先進諸国をターゲットとしていて、自分や家族をどの程度の経済水準に置きたいのかということまでも考慮するしたたかさも持ち合わせていました。

まずは当面一人で海外に出て、事業と生活の基盤を作ってから、日本の生活をすべて整理して両親を呼ぶつもりなのだとか、なかなかどうしてしっかりしたものです。

 

これまたユニークな発想なのが、仕事をしたくない残りの若者です。

はぐれ雲とルパン三世が憧れとか、随分対照的なキャラクターだと思うのですが・・・。

ともかく何もやりたいなりたいと思えるものがないのだそうです。

他の二人から、「おまえばっかじゃねえの」とか、「遊んで暮らしていけるなら、誰も苦労なんてしないよ」などと言われながら、一言ぼそっと彼が発したのは、「ボランティア・・・」という一言でした。

他の二人とも、彼のそんな考えは始めて聞き及ぶ様子で、「ボランティア???・・・」としばらく絶句していたのですが、ベンチャー立ち上げ志望の若者が、「だってボランティアはボランティア、それじゃあ生活できないだろう」と、私の素朴な質問をまるで代弁してくれるかのように不思議そうに尋ねました。

そのボランティア志望の彼曰く、「世の中になくてはならない必要なことは、仕事にはならないんだよな。みんな自分が儲けることしか考えてないし、人を騙したり蹴落としたりさあ、ろくなもんじゃねえよ。まともな仕事なんてあんのかなあ。だから仕事なんてしたくないんだよね」

他の二人「・・・・・」

ボランティア志望の彼「だからさあ、最初はボランティアで始めて、やっていくうちに必要な経費分だけは確保できるようにしたいわけ。もちろん必要なだけで儲けはなしね。うちの親父なんてさあ、あくどいことして稼いでるわけよ。それで俺も生きてるわけだし、もううんざりなわけ。だからあの親父騙してさあ、始める金出させるわけよ」

寿司屋を継ぐ彼「それで何のボランティアやるわけ?」

ボランティア志望の彼「まだ考えてない・・・」

他の二人が口を揃えて「何じゃそれっ!」

ボランティア志望の彼「まあ大抵のボランティアはもう実際どっかで誰かがやってるわけだしさあ、そういう人達のバックアップかなって感じよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「おまえやりたいことはっきりしないんだったら、俺の事業に出資しない?」

ボランティア志望の彼「それはやめとく。それよかおまえこないだ貸した金返せよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「うっ・・・、そう来たか・・・」

ボランティア志望の彼「しかしやりたいこと見つけるのはきついよな。やりだしたらやめられないしなあ。もともとやりたくないこと始めちゃってさあ、やめられなくなっちゃったらもう地獄だぜ」

寿司屋を継ぐ彼「しかしお前みたいな奴がさあ、自分がやりたいことが見つからないっていうか、何もやりたいことがないっていうのが凄い不思議なのね。一番先に決めてそうな奴じゃん」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「こいつはさあ、やりたいことが多すぎて何か一つに決められないだけなんじゃないの」

ボランティア志望の彼「そうじゃあなくてさ・・・、うまく言えないんだけど、やるだけの価値があると思えることが見つからないのね。誰かが何か仕事をすればしただけ余計なものが世の中に増えるだけって思わない?どいつもこいつもカネカネカネだしさあ、大体働かないと、ていうよりカネがないと生きていけないことがおかしいと思うんだよね」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「こいつどうなっちゃってるわけ?もう何言っちゃってんのか全然解らないよ」

寿司屋を継ぐ彼「なあ、○○、ちょっと財布出してみせてくれる?」

ボランティア志望の彼が持っていたバッグの中から取り出した大判の財布を、寿司屋を継ぐ彼がベンチャー立ち上げ志望の彼に開いてみせながら「これだもん・・・。ダイナースだろ、アメックスに、VISAに、JCBに、なんだこれ、セゾンまであるよ。おまけにゴールドだぜみんな、スポーツジムまであるよ・・・。おまけにこれ見ろよ。20〜30万はあるよ。高校生の財布か、これ・・・」

ボランティア志望の彼「だからさあ・・・」

寿司屋を継ぐ彼「こんな調子なわけよ、こいつはさあ・・・」

ベンチャー立ち上げ志望の彼が大きな溜め息をついて、「何かおまえさあ、言ってることとやってることが全然違わない?やってらんねえなあ、馬鹿馬鹿しくて・・・。ただの金持ちの親のスネかじりじゃん」

寿司屋を継ぐ彼「ちょっと違うんだよな、こいつの場合。俺が言い訳するみたいで変なんだけどさあ、俺も親の財産あてにして店開くつもりだからね。まあこいつんとことうちじゃあ桁が違うけどさあ、親の金あてにしてるところは一緒だもんな」

ボランティア志望の彼「それぞれ環境が違うわけで、みんな使えるものは使わないとだろう。親父が汚いことして稼いだ金は、必要なとこに戻さないと、平和と安定のバランスがとれないしな、俺は親を徹底的に利用してやるし、すねをかじるより食い尽くしてやるよ。言えば親父小遣いだすからさあ、とれるだけとって貯金するわけよ。金がある家に生まれたら、その環境を活かさないとだろう。それぞれがさあ、それぞれの環境でできることをしてけばいいんじゃないの。ドラマなんかでよくあんじゃん。実はすげえ大会社の社長の息子が反抗して家出して貧乏したりしちゃってるようなやつ・・・、嘘くさいよな。だいたいそんくらいの根性があんなら、そうやって自分の環境から逃げずに、自分だからこそできることをやんなきゃじゃないの」

寿司屋を継ぐ彼「俺もさあ、同じなわけよ。あるものは使わないとだぜ。家の親なんかさあ、税金払うために土地の切り売りしてんだぜ。早く俺が使ってやんないと、そのうちなくなっちまうよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「だからさあ、俺の事業に投資しろっつうの」

寿司屋を継ぐ彼「それとこれとは話が違う。だいたいおまえがやることに納得ができればだし、それ以前におまえ自体に納得できないからな・・・」

ボランティア志望の彼「そうそう、そのとおり」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「ふざけろよ、おまえら・・・」

ボランティア志望の彼「おまえはさあ、よくそんなことあれこれ思い付くもんだっていつも感心はするんだけどな・・・。こいつ(寿司屋を継ぐ彼のこと)みたいなしっかりしたのでも付いてないと、底が抜けたバケツ状態?、何か投資した金が戻ってくる気がしないんだよね」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「言ってろよ、そういうこと」

寿司屋を継ぐ彼「いずれにせよだっ・・・、俺達三人それぞれなんだからさあ、違うとこで違うことしようぜ。オヤジになってさあ、また会えばおもしろいじゃん」

頷くボランティア志望の彼とベンチャー立ち上げ志望の彼「まあそりゃそうだよな」

しばし三人沈黙の後ボランティア志望の彼「まあ俺は何してんだかわかんないけどさあ、おまえらはやりたいことがあるんだからな・・・。でも頑張り過ぎないように適当にやってよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「おまえマジでつまんなさそうに言うよな」

ボランティア志望の彼「わりいね。興味ないんだよね、何をするとかどうするとか・・・。でもおまえらとは、他の連中と違ってこうやって話してるとおもしろいよ」

頷きながら寿司屋を継ぐ彼「言えてる。俺もそうだもん。何か話すのも面倒なんだよね。おまえらしか話が通じないからな」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「自分がないんだよ。だから目標がない。他人の評価で生きてるから、他人が決めた目標に向って人より先を行くことしか頭にないどんぐりの背比べだよ。後はどんぐり競争に参加しないでその日の目先の気分で生きてる奴と、村八分にされた落ちこぼれ・・・、どいつと話してもたいしてどっこも変わんないみんな一緒だからつまんないだよな」

寿司屋を継ぐ彼「そうだよな。他人事ながらよくそんなになんも考えないで生きてられるって怖いもんなあ。受験とかさあ、何のためにやってるかとか疑問に思わないわけよ。それが目的で、その先真っ白だもんね」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「誰かが創った環境と基準が想像の範囲の限界なんだよ。そんなのあっという間に壊れるし、自分だけが頼りなんて思いもよらないんだよ」

ボランティア志望の彼「・・・・・」

寿司屋を継ぐ彼「どうしちゃったわけ?」

ボランティア志望の彼「・・・・・まあいいんだけどさ・・・」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「何だよ?言えよお」

ボランティア志望の彼「・・・・・、おまえらもさあ、自分達の周りばっかし見てっからそうなんじゃねえの?テレビ見てたって新聞や雑誌なんか見てたって、世の中には俺達くらいですげえ奴らいっぱいいんじゃん。それにさあ、自分らに自信を持つのはいいんだけどね、周りの奴らだっておまえらが思うほど馬鹿じゃあねえよ。早いか遅いか、それか程度の違いはあっても、みんなどっかでそのうち何かやるわけだし、どこにすげえ奴が転がってっかわかんないよ。まあ、俺も話せる奴なんて周りにはいないけどさあ、話してみたい奴は結構いるよ。実際会ったこともない知らない奴ばっかしだけどね」

寿司屋を継ぐ彼とベンチャー立ち上げ志望の彼「・・・・・」

ボランティア志望の彼「人間みんなそんなたいして変わんないしさあ、俺達くらいの奴なんてその辺にごろごろ転がってるって。おまえらは目標があんだから、それに向ってどんどん進めばいいんだし、実際ちゃんとできるよ。でもやりたいと思っててもできない奴らもいるだろ、すげえ貧乏だとか障害があるとかさあ、そういう連中になんかできることを考えてんだけどね」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「ふ〜ん・・・、それがおまえのやりたいことなわけ?」

ボランティア志望の彼「だからさあ、やりたいことはわかんないの。なんかあればやるんだけど、なんもないからさあ。やりたいことがある奴がやればいいと思うわけよ、単純に・・・。それにさあ、誰かができることは他の誰かもできるんだし、傍から見たら誰がやってもおんなしじゃん。そしたらそれをやりたいと思う奴がやればいいと思うだけだし、みんながそうしてたら、中にはそいつしかできないことやすげえレベルで普通のことをやる奴とかもたまに出てくるんじゃない。俺はさあ、やりたいことがないからね、ほんとは何もやらないで済ませたいんだけど、何かやらないとだめならやりたいことがある奴の手伝いするくらいしかないと思うわけよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「何か解ったような解んないような・・・、やりたいことがある奴の手伝いをするんだったら、俺の手伝いもしてくれれりゃあいいじゃん」

ボランティア志望の彼「だからさあ、おまえはどこでどうやったってちゃんとやってくって。おまえにはおまえと価値観や目標を共有したがる奴が他にいるよ。俺は向いてる方向がおまえとは違ってるから・・・」

寿司屋を継ぐ彼「おまえらがなんか全然違うのは解るんだけど、どこがそんなに違うのかなあ。似たようなこと言ってるとこも多いのにな」

ボランティア志望の彼「・・・・・、根本的な目標が違うんだよ。こいつ(ベンチャー立ち上げ志望の彼)が目指しているのは金儲けだもん。いろんなおもしろいこと考えてるけど、それも自分が一番の金持ちになるためだろ。俺は逆だもん。世界から餓死したり、病気になっても治療もできない人間をなくすこと、カネのない世界がベストだけどそういうわけにはいかないから、せめて金持ちのカネをいかに貧乏人に還元するかが目標なわけよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「・・・・・」

寿司屋を継ぐ彼「なんかおまえは全然違う感性で生きてるよな」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「だけどさあ、んなことできるわけないだろう」

ボランティア志望の彼「んなこたあねえよ。一人一人がやろうと思うかどうかだけのことだよ。世界のボランティアの力は侮れないよ。あちこちでいろんな人がいろんな活動をしてて、相応の成果もあがってんだよ。でもさあ、自己満足が優先する奴らとかさあ、カネ儲けが済んだ後の名誉づくりだとかさあ、ただ社会の仕組みから脱落しただけの奴らなんかがまた多いわけだこれが・・・、ちっともボランティアの対象本位じゃないんだな。また国がやってる途上国援助が最悪でさあ、カネの生きる使い方を考えられないオツムの足りない官僚達と、利権に目がくらんだ政治家達と、奴らを操るかただ群がるだけの経済人よろしくハイエナどもの懐に入るか、相手の国のおんなじ種類のゴキブリどものポッケに入っちまうわけで、ホントに援助が必要な人達のところにまではなかなか届かないんだよ。もともと持ってるそれも剰ってるような連中の間だけでカネもモノもグルグル回っているだけで、なかなか溢れて下々に流れてはいかないわけよ」

ベンチャー立ち上げ志望の彼「そういうおまえもそういう連中の仲間だろ」

ボランティア志望の彼「そうだよ。だからもううんざりなわけよ。うちの親父なんか、もうどこまで儲けたら気が済むんだって感じでさあ、あっちとこっちをくっ付けたり、順番変えたりしてるだけで、自分じゃなんもしないくせに儲けてんだぜ。まずは親父のあくどいことして儲けたカネを世間に還元するのが一番先だと思うわけよ」

寿司屋を継ぐ彼「しかしおやっさんは、息子がこんなこと考えてるなんて、夢にも思わないんだろうな。ああ怖え〜」

ボランティア志望の彼「まあ俺に後を継がせたいみたいだから仕方ないんじゃないの。老後困らないくらいはちゃんと残しといてやるけどね・・・」

 

こんな電車内での来春に卒業を控えた男子高校生三人の会話に思わず引き込まれてしまい、私は本来下車するはずの駅を乗り越し、さりげなく彼らのすぐ脇に立って聞き耳をたてているうちに、あっという間に電車は終点に着いてしまい、彼らはそのまま人の流れに吸い込まれていくように階段へと消えていきました。

余程私も彼らの後を追って会話の続きを聞きたい、あるいは彼らの名前や連絡先だけでも尋ねたいとの衝動に駆られましたが、結局は私もそのまま反対ホームから乗り越してしまった駅に戻る電車に乗り込みました。

彼ら三人が今後どんな人生を送っていくのかは判りませんが、彼らであればたくましくそれぞれの人生を切り開いていくことでしょう。

彼らの会話を私がここで再現するのは難しいのですが、私達大人がいつの間にか忘れてしまった直感とイマジネーションに、そしてまた生き生きとした21世紀における様々な生活とビジネスについてのヒントに満ちていました。

こんな若者達の存在に、彼らが背負う明るい未来を実感できましたし、私も彼らが活躍できる環境づくりに少しでも寄与していけたらと、また心新たにした一日でした。

 

▼Failure         
  >file#1-4
   〜ビジネスパートナー選びこそ成功への第一歩・その4〜 に続く

 

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