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MINDSHOOTING ESSAYS -What's Cool Business!?-

■□■第21号■□■



≪CONSIDERATION≫
21世紀を生き抜く負けないビジネス・その3
〜何も始めないほうがいい。でも一度始めてしまったら、最後までやり通すしかない。
「40年間ほとんど楽しいことはなかった・・・」 /その3


それにしても、何か事ある度に一時的に気付いたり目覚めたりすることはあっても、人はなかなか本質的に変わることはできないものです。


以前私が発行しているメールマガジン上で言及したことのある(http://www.globers.gr.jp/nob/mindshoot_life/coollife_0004.html)、自らがオーナーである関連会社を含めた長年築き上げてきた事業をすべて精算して突然引退をしてしまった私の学生時代からの友人の一人は、引退していたのもほんのつかのまのこと、結局また最近になって実業界に復帰してしまい、東南アジアの某発展途上国でのリゾート開発事業などという前時代的と思えるような大がかりな事業を立ち上げて、もうこの数ヶ月ずっとその国に長期出張したままになっています。

奥様と娘二人息子二人の家族は、それでも淡々と我関せずといった様子で暮らしていて、私の友人は心配すらもされていないような様子です。


また二十歳以上も歳上ながら、もうここ十五年以上も懇意にしているある初老の友人の一人は、もともと証券会社に在籍していて、多くの法人顧客を中心に数十億円から時には数百億円にも昇る資産運用を手がけていたようなのですが、そうした仕事に嫌気がさしたとのことで、ごく一般的な経理職を長年続けてきていて、この数年は定年後老後生活を田舎でハーブを育て、こつこつ住む家を自力で造るなどと話しつつ土地を購入して、週末には奥様と通う日々を過ごしてきたにもかかわらず、それなりの事情はあるのですが、突然資産運用会社を設立してまたマネーウォーズの世界に戻ってしまいました。

もう目付きから人柄もすっかりと変わってしまい、というよりもともとそうした人格だったのかも知れませんが、少なくとも私が長年接してきた彼を感じてとることはできなくなってしまいました。

先日奥様から相談というよりも、とうとう近く離婚をする決心をしたという旨の報告がありました。


このような実例を挙げ出せばきりがなくなってしまうほど、まるで檻の中の二十日鼠(はつかねずみ)が回り続ける滑車状のステップを無心にただひたすら走り続けているかのように、いったい何のためにそれほど働き続けるのか、ひいては生きているのかと溜息をつく他にはなくなってしまうような人達が大勢私の周囲には目立ちます。

もちろん私の周りに限ったことではなく、世間一般においても広く遍(あまね)く自らの生の目的を見失ったまま、ただひたすらに日々走り続けるばかりの人達が蔓延しています。

昨日私の顧客の一人である自営業者の方から、その方が購読されているメールマガジン上でいい言葉を見つけたということで、メールをいただきました。
「目指したものを手にすることを成功といい、その道のりを楽しむことを幸せというんだよ」
確かに、実にシンプルかつシャープに物事の本質を表現したフレーズだと感じます。

この方も、ある意味これまで我武者羅(がむしゃら)に突き進んでこられた方でしたが、私がこの方に対してこれまでしてきたことは、単純にこの方に自らの本質をしっかりと考察していただき、本来の根源的欲求の基準におけるこの方の人生の目的を再認識していただくこと、そしてその目的を具現化していくための道筋と手順のイメージを描いていただくことでした。

「目指したものを手にすることを成功といい、その道のりを楽しむことを幸せというんだよ」・・・とこれは確かに正論ですが、それ以前の段階における目指す目的の認識の問題こそが最も重大なのです。その目指したものが自らの内なる真の心の声に照らして見誤ってしまったものであったとすれば、まさに本末転倒元も子もなくなってしまいます。

この方の場合は、これまでに言及してきたような栄枯盛衰の間を行き来したような方々とは異なり、現在まで世間で言うところの社会的成功に結びついた経験をまだ有していらっしゃいません。女性の経営者なのですが、この方の人柄を一言で表現すれば、純粋でお人好しといったところでしょうか。常識的な判断基準においては、とても経営者としての素養に恵まれているとはお世辞にも言えないのですが、私独自の判断基準においては、この方の人格や感性またこれまでほとんど生かされてきていないと言っても過言ではない様々な資質に大きな期待感を抱いているのです。

この方の場合は、自らの真に目指すものを明確に自覚し、その実現までの道筋を具体的にイメージしつつ、そして何より決して途中であきらめないで焦らず歩を進めていくという万人に共通した成果につなげるための原理原則さえ会得することができれば、歴史に名を残すほどの何かを成す方なのではないかと私は大いに買い被っているのです。

一般常識に欠けた部分は、何人も持ち合わせないような個性溢れる様々な資質で補って剰りあるほどですし、この方の直観とイマジネーションを具現化していくお手伝いをしていくことこそ私に課せられた役割であるという認識でお付き合いをさせていただいてきました。

しかし、何ぶんにもこの方自身に、自らの目指すものが認識ができていないというプリミティブな段階を逡巡する内に、類に洩れずこの方もインターバルに入ってしまわれましたので、この段階を独力でクリアーして復活されるまでの間はただ静かに見守るほかはありません。

インターバルに入るまでに既に充分なだけの認識と判断の手法と材料は提供済みですから、後はただ本人の気付きの時を待つことになります。現段階でのこちらからのアプローチは、逆に害にしかなりえないのです。目指すものとは、決して第三者から教えられたり与えられるものではなく、自ら気付くあるいは創りあげていくべきものだからです。


内なる心の声に妥協なく順ったうえで自らの明確な目的意識を持ち得た、そしてさらにいかなる障害が立ちはだかろうともその目的の具現化を目指して諦めないで努力を重ねていける人々は、少なくともコンセプトデザイナーとしての私のビジネスのうえでは関わり合う必然性もなければ、元々人として何らの問題もありはしないのです。

生活や仕事の在り様(=コンセプト)は、本来自ら創り上げていくべきものなのですから、何らかの視点で私に必要性を感じるということは、元々の目的意識自体、あるいはその目的の具現化のための方法論の設定のいずれかと、内なる心の声との間にズレが生じている顕れに他なりません。

目的の具現化には、相応の時間と手間がかかって当然なのですし、その目的が崇高なものであればあるほどその具現化に要する時間と手間は増大していきます。その目的の具現化の過程で様々な苦難に直面している段階においても、同情や中傷といった第三者の客体的視点がいかなるものであろうと、自らの内なる心の声という絶対的視点が強固であれば、最終的に負の影響を受けてしまうことはありません。

目的意識にすり替えや誤魔化しがあればもはや問題外の基準ですが、自らの内なる心の声に照らして妥協があっても、やはりそれはいずれ本末転倒につながっていくことになります。それを認めようと認めまいと、また実践しようと実践しまいと、人は自らの心の声に順がわずしては、真の充実感や幸福感を得ることはできないのです。

目的意識の設定に錯覚があったような場合には、必要に応じてそれまでの経緯の清算ができさえすれば、改めて目的の設定をし直せばよいのですし、目的が見つからないような場合には、その時点における目の前の課題に全力で取り組んでいさえすればよいのです。

誤った目的意識に固執して軌道修正できない堂々巡りから脱却できずにいることは愚かしいことですが、あらためて設定し直そうという目的の方こそが誤りであったり、あるいは現状の目的からの単なる逃避に終わらないようにするためにも、常に自らの内なる心の声に正対し対話を続けていくことが何より肝要ですし、たとえ誤りであったとしても、その都度その時点における目的を達成していきつつ、その次の新たな目的を設定していくことができればさらに理想的です。

また、目的を設定できないことは悪いことでも何でもないごく自然な一つの状況なのですから、引け目を感じてしまったりする必要性はまったくありません。但し、自力で目的を見つけられない状況においては、第三者や社会からなどの環境的必然性による目の前の課題に全身全霊を傾けていくことが肝要です。自らが心から望むことではないのだからなどと斜に構えるような甘えた姿勢では、内なる心の声と対話していくことはおろか心の声の存在に気付くことすらも生涯できようはずもありません。(続く)



≪EPISODE≫
 ▼Failure
  >file#3-7
   〜出戻りラッシュ・その7


上記CONSIDERATIONが長編にわたってしまいましたので、次号に順延とさせていただきます。




≪号外≫
サイト開設3周年記念コラム
あっと言う間にこのサイト&メールマガジンもはや3周年、されど未だ・・・/続き
("What's Cool Business!?" & "What's Cool Life!?"共通)


本来今号においては、前号に引き続き、「サイト開設3周年記念コラム/あっと言う間にこのサイト&メールマガジンもはや3周年、されど未だ・・・」の続編掲載を予定いたしておりましたが、はなはだ勝手ながら次号以降に順延させていただきます。悪しからずご了承くださいませ。


編集後記/いよいよ収拾がつかなくなりつつあります

このサイトの運営とメールマガジン2誌の発刊を同時に開始して以来、はや4年近くになります。当初から発行周期の長かったメールマガジンでしたが、刊行インターバルは日々さらに開きつつ、配信スタンド数多のメールマガジンの中でも恐らく最長の強制廃刊すれすれの状況、daily short columnsを中心としたサイト更新も、このところすっかりと滞ってしまっています。

書きかけのままの各種連載コラムも相当数に昇ってしまっているばかりか、未だ脱却できないプロローグを締めくくるために必要と計画して久しいいくつかのテーマへの言及についても、まったく手すら付けられないでいます。

ここ数年の実情に即したコンテンツの追加やリニューアルを必要としているこのサイト以外の各種自営ビジネスサイトの更新も放置されて久しいばかりか、依頼を受けた案件としての顧客サイトすらも手付かずのままという異常事態に陥ってしまっています。

もう納期を契約に含めない、明日できることは今日やらないという冗談とも本気とも判らないスタイルを公言して久しいものの、さすがに私も罪の意識に苛(さいな)まれて本気で焦り始めている今日この頃です。

そうはいってもやるべきことはやらざるをえず、可能な限りストレスを溜めることなく、目の前のできることを一つ一つ片付けていく他はないわけで、こんな愚痴を書き連ねている余裕があるのなら、とっととやれよという話ですよね。

昨年の師走から特に多忙を極めていたうえに、新規案件の同時スタート、普段あまり依頼のない種類の業務依頼、度重なる地方出張、データを消失する危機に見舞われた深刻な日常メインPCの長期にわたるトラブル、個人的な友人筋のトラブルシュートなどと、時間と手間を要する用件が一時にどっと重なってしまい、まさに四苦八苦の状況が続いていました。

いくつかの案件に目処が立ち、やや日々に余裕が生まれつつあるので、今月でこのサイトの更新とメールマガジンの発行を追い付けたいと思います。

今回は、時々メールを下さる常連の方々の他にも、初めてのサイトリピーターやメールマガジンの読者の方々からも叱咤激励をいただきました。まずはこの場にて、お詫びかたがたお礼を申し上げます。返信は遅れながらも必ずさせていただきます。

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